大会趣意書
テーマ 「多様性の中から未来を見つけ出す」

 東日本大震災から3年という月日が経過しようとしています。大震災は、我々理学療法士一人ひとりに対して、「今一度、理学療法士の資格取得を目指した頃の原点に立ち返り、未来に向けて我々が果たすべき役割を再認識する」という機会を与えてくれたようにも思います。
 近年は、欧米からの波に飲み込まれるかのように、日本においても規制緩和やグローバル化が進み、世の中は多様な価値観の渦の中に飲み込まれています。理学療法士の世界においてもまた同様のことが言えるかもしれません。
震災の頃を思い起こせば、東北地方の被災地には、全国から集まった理学療法士や地元で働く理学療法士が様々な支援活動を展開し、積極的に関わっている姿がありました。生活不活発病の予防や障害の重度化予防に留まらず、あらゆる場面であらゆる被災者に寄り添い、時には理学療法領域以外のことに対しても積極的に対応したことが各地で報告されました。被災地や被災者への支援活動を行なうにつれ、震災は、我々理学療法士に対して「理学療法士は何が出来るの」「社会に対して本当に貢献ができるの」などの様々な問いかけを突きつけてきました。
 しかし、我々はあらゆる困難な場面に直面しても、すぐさま平時を取り戻し、そして前進することが出来ました。この原動力は、理学療法士一人ひとりが、「誰かのために尽くしたい」という献身的な気持ちや、「理学療法士としての誇り」を常に抱き続け、未来へ向かって被災者と伴に歩もうとしたことなのでしょう。
 そこで、本学会では、我々一人ひとりが、理学療法士を目指した頃の原点に立ち返り、未来に向けて我々が果たすべき役割を再確認できる場にしたいと考えております。そして、理学療法士としての未知なる可能性を発見する大会として位置づけ、学術追求とともに大勢の仲間達と我々の未来を語り合える雰囲気づくりを目指しております。また、演題発表とともに、特別講演やセミナーでは、我々自身の未来に繋がる理学療法最前線の知見を学べる内容を企画しております。
 皆様お一人おひとりにとって、この学術集会が、“理学療法士として、自身の明るい未来像を見つけ出し、明日への力強い一歩を踏み出す機会”となっていただければ幸です。

Copyright (C) 2013 福島県理学療法士会
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